補佐人研修講座・たかが法22条されど法22条

今日は補佐人研修講座に行ってきました。
午前の講義は、重加算税を中心に国税通則法の条文と判例等見ていきました。
重加算税についても、仮装・隠ぺいの意義など奥深い論点(奥深過ぎて一回では全て消化しきれず)と思ったワケですが、それ以上にウームと思ったのが、「平和事件」をきっかけに考えることとなった法人税法22条。


平和事件そのものは、社長個人の会社に対する無期限無利息の貸付金について、所得税法157条・同族会社の行為計算の否認規定の適用を受けて社長個人の認定利息が雑所得になったということが筋なワケですが。


そこで、品川先生から質問が他の受講生に。
先生「法人から個人にお金を貸して、利息を取らない場合は、どうなりますか?」
これについては、認定利息が給与になるということで、問題なし。


先生「では、個人が法人にお金を貸して、利息を取らない場合はどうなりますか?」
玉婆的には、支払利息と債務免除益が相殺されて所得は発生せず、ってことかと思ってました。
法人税的な言い方になりますと、損金と益金が相殺されるから、所得に影響なし)


ところが、先生の法人税法22条2項の解釈によりますと・・・

法人税法第22条第2項>
内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。


「無償による資産の譲受けその他の取引で・・・・」って所がミソなんですが、譲渡の方は、「有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供」と書いてあるのに、譲受けについては「無償による資産の譲受け」と書いてあるだけで、「無償による役務の提供」については書かれておりません。


この文言から、すなわち無償による役務の提供(この場合は無利息貸付)は、本来益金を認識する必要がない、という解釈になるようです。
税法の解釈は、表面的な文言だけで判断してはいけないって思う時もあれば、その1文字が〜みたいな時もあり、本当に難しいものでございます。


まぁーこの事件については、金額が3455億円と巨額であった事等から同族会社の行為計算の否認規定を適用された結果利息は認識されましたが・・・
あらためて、法人税法22条の奥深さを味わった今日の講義。
法人税法22条は極めて一般的・基本的な規定ですが、何かと言うとやはりココに帰ってくるワケで「たかが22条、されど22条」といったところでしょうか?
(受験時代に習ったような気もしますが・・・ナハハ)