いやはや〜5月申告、大変お疲れ玉でした。
今回の申告は特殊支配同族会社の役員給与や、会社法の改正に伴う役員賞与の損金経理、別表4,5や留保金課税など、マグニチュード7.0ぐらいの影響がございました。皆様の方はいかがでしたでしょうか?
そんな中、たいした事でもないんですが、今回初めて〜という処理がございました。
簿記3級で一番最初に習った決算整理。
「しいくり・くりしぃー」(仕入/繰越商品・繰越商品/仕入)
今からちょうど10年前、呪文の様に覚えた処理でございます。
前期末棚卸高を当期の「仕入」a/cに加え、当期末棚卸高を、「仕入」a/cから引く。
そうする事によって、損益計算書の「仕入」a/cは・・・
(整理前)当期に仕入れた金額 →(整理後)当期の売上に対応する原価、すなわち売上原価(通称 売原)となる。
そして、貸借対照表の「商品」a/cは、前期末棚卸高→当期末棚卸高 となる。
当時は意味もよく分かりませんでした。
今となっては、いやはや、うまくできてるなぁ〜簿記ってスゴイなぁーなんて思ってしまうワケであります。
実務上では、損益計算書においては、「前期仕入」+「当期仕入」△「当期末売れ残り」という課程を示す為
「期首棚卸高/商品」「商品/期末棚卸高」 という仕訳を切るのが通常かと思います。
さらに、月次をキチンとやってるとこでは、期首以外の月初(3月決算なら、5月始め〜3月始め)においては
「期首棚卸高/商品」 ではなく、「期末棚卸高/商品」という処理をしているとこも多いかと思います。
そーすることによって、期末棚卸高が月末棚卸高に洗替えされて、期首棚卸高=常に期首(3月決算なら、4月の棚卸高)となる。
なんてことないけど、奥深い処理なんですよね〜。
しかーし・・・
今回申告の顧問先では、A部門に途中から、別会社だったB部門が合併(というか事業承継)して、1つの会社となってから初めての決算だったのですが。
(1)A部門の処理→月初棚卸高を「期首棚卸高/商品」で処理。
(2)B部門の処理→商品仕入時に、翌月以降の売上分については、直接「商品/買掛金」で処理。そして、売れた時に「仕入/商品」という処理。
(1)については、期首棚卸高=4月〜3月の月初棚卸高の累計となっており、期末棚卸高=4〜3月の月末棚卸高の累計となっている。
(2)については、「仕入」a/c=決算整理する前から「売上原価」となっている(簿記的には、決算整理が不要)
そして、決算整理では
(1)5〜3月の期首棚卸高について
期末棚卸高/期首棚卸高 ×× →期首=4月月初の棚卸高となり、期末=3月末の棚卸高となる。
(2)前期末の商品はないため、期末の商品についてのみ
仕入/期末棚卸高 ×× →仕入a/c=当期の仕入高となり、期末棚卸高=3月末の棚卸高となる。
という、「しいくり・くりしぃー」とはかけ離れた処理・・・を行いました(笑)
特に、B部門については、元々が売上原価となっていたため、何も処理しなくていいと思い込んでいて。
B/Sの商品a/c=P/Lの期末棚卸高a/cとなるはずでは???と、ふと申告書を仕上げる直前に気づいた次第でございます(−。−;)
終わってみれば、たいした事ないんですが
・期中の処理方法は、多様にある。そして、それらは、どれが正しくてどれが間違えとかいう次元ではない。
・決算において、あるべき数字をカッチリ捉える必要がある。そして整理前試算表の意味を捉え、決算整理で何をすべきかを考える。
ということを改めて認識いたしました。
こーいった考え方は、簿記に限らず、法人税の別表4・5の調整でも役立つのではないかと思っております(^^ゞ