[つれづれ]玉婆、詩人になる?!

学生時代、詩の授業が大嫌いだった玉婆ですが、今日は珍しく短歌のご紹介を。


「久方の光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ」 (紀友則

一番最初に覚えた百人一首の33番でして。
穏やかな春の日なのに、なぜ桜は静かな心を持つ事もなく散り急ぐのだろうか・・・・というような歌でございます。

勝手な解釈ですが、上の句・穏やかに対し、下の句・その反対 という対比がまず芸術をかもし出しておりまして。

また、単に「花がキレイです〜」という歌ですと印象も薄く終わるのですが。
「桜よ、なぜ散り急ぐのか」というところで、桜に心を持たせた表現。
桜が理解できないといったら大袈裟だけど、まるで振った女性を追いかけるかのように、何かこうこみ上げるせつない気持ち。
しかしながら、はかない命だからこそキレイなのだろうな・・・と半ば哀れむような気持ち。

57577の31文字で、こんなに表現できるのが短歌の素晴らしい所と思っております。
また、この時代(平安時代、今から1100年程前)とあって、表現もかなり奥ゆかしく風情を感じるものですね〜。

ちなみに、紀友則古今和歌集の選者となった有名な人で、紀貫之のいとこだそうです。

百人一首については語りつくせない玉婆、次回は百人一首について書こうと思います。